2010年10月24日

pepeの美食学⑥

今日のテーマは「新鮮な魚が果たして美味しいか?」です。

この問題の解決の重大なヒントにATPそうです、人間を含め、動物にはアデノシン酸三リン酸というエネルギー源があります。

人が運動するにはこのATPの中の一つのリン酸が分離して、ADPそうアデノシン酸二リン酸になる際に出るエネルギーで

走ってリ跳んだりできるのです。

もっとも体内のATPは限りがあるので、ADPから、また一リン酸を再合成しながら活動できるのですね。

ATPが枯渇すると乳酸が出て疲労困憊になるわけです。

さて、人間はともかく動物は死ぬと体内にあったATPは酵素とともに、イノシン酸に変って行きます。

イノシン酸こそ旨みの最高のエッセンスなのです。

特に昆布のグルタミン酸と並んで、かつお節のイノシン酸は料理の旨みを構成するうえで必要不可欠です。

そういえば、カツオは生きてる間は、常に海中を急速で泳いでますね。

それには、体内のATPが豊富でなければ泳げませんよね。

もう、お分かりですね。かつお節には、ATPから変化したイノシン酸が豊富なわけです。

さて、ここで本題の魚は鮮度か熟成か?

青魚は死ぬと酸化が早く、生臭さが出るので新鮮な方が絶対美味しいですよね。

では、鯛や平目と言った白身魚はどうでしょうか?

ここで写真を見てください。
pepeの美食学⑥

3日目の平目の身は、上から皮がうっすら見える位透き通ってきますね。余分な水分が抜けイノシン酸が増えてる証拠です。

鯛も全体がうっすらとして、ねっとり吸いつくような感触さえしますよ。

このように白身魚は〆て3日目が一番美味しいのですね。

もっと詳しく言いますと、ATPが死後硬直の間に急速に旨み成分のイノシン酸が分解されます。

死後硬直の初期に一時的にイノシン酸が多くなるタイミングがあり、その頃が一番美味しいわけで、それがほぼ3日目なんです

ね。もっとも若い人達のなかには旨みよりも、硬直時のコリコリした食感が好きな人もいるでしょうから・・・

pepeは絶対とは言いませんよ。

牛肉だと、10日から2週間は冷蔵庫内に置いてますと、アミノ酸とイノシン酸が増加し、脂肪の一部も分解して

肉のコクを増やす脂肪酸も出てきます。

同じように鶏肉も〆た後10時間前後が一番美味しいと言われてますね。

真空パックなんて食えませんよ。

そうそう、赤身の場合、例えば100kg以上の鮪は少なくとも4日以上、それで黒鮪のことをシビマグロ(4日)って

言うらしい。よく鮪の解体ショーなんてありますが、あれは30kg以下ですよね。

でもすぐ食べちゃうのはもったいないですね。

赤身は絶対ズケで食べなきゃぁ。

そうそう鮪のひゅうが丼?

飯の中に葉わさびを入れたらもっと美味しかったでしょうに・・・。

Posted by pepe at 11:09│Comments(0)
 
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